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7/15 バギオ市 Tam-awan village、Kapwaレクチャー

ロッジ風のすてきなホテルで朝食をいただき、バギオの街へ。坂道だらけの街で、山肌に家が点在する。

最初に訪れたのはTAM-AWAN VILLAGEという、イフガオ族の居住跡地につくられたアート村(でも観光地化している)。イフガオ族の踊りや住居が見られるほか、アーティストたちがレジデンスして作品を作っていて、作品の購入も可能。趣旨としては北海道のウポポイに近いところがあるかもしれないが、イフガオ族の踊りのデモンストレーションをしてた人が、曲が終わるといきなり踊りをやめるのが面白かった(イリュージョン感ゼロ)。

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その後のランチはOh My Gulay へ。ここは、35年かけて制作された『500年の航海』などで知られる映画監督キドラット・タヒミックが手がけたレストラン。ビルの最上階に広がる眺めのよい異世界レストランでパスタをいただく。ちょっとジブリっぽい。

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ランチ後は池のあるバーナムパークへ。同行してくれたアーティストのWSで、ここまでで見た景色を絵に描く。久しぶりに絵に集中して楽しい。池のまわりにはベンチが置かれているのだけど、フィリピンに人たちは密着して座るので、日本なら3人掛けのところに5人くらい座っている。ジプニーもめちゃくちゃ混んでるしなあ。さっきレストランでみかけた本にも、フィリピン人の椅子で寝る方法を説明したページが。

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20240916161001.jpeg午後は、同じくタヒミックが手がけたカフェIli Likhaへ。ハウルの動く城的なカフェで、いまだに工事中らしい。

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20240916162205.jpegここの2階?スペースが映画館になっていて、ここでデラサル大学のEさんからレクチャーを受ける。テーマはKapwa。Kapwaはフィリピンサイコロジーの概念で、Other is a part of me/ shared identityのような意味らしい。フィリピンの学問は植民地の歴史を踏まえつつ自分たちの伝統を立ち上げようとする意識が高いように感じる。

心理学者Jaime C. Bulataoの比喩によると、Kapwaは目玉が二つある目玉焼きみたいなものらしい。つまり、私と他者がひとつの白身につつまれている感覚。面白いなと思ったのは、これが心理学の用語であると同時に物理的な側面もあるということだ。たとえばどこかに行ったらお土産を買ってくるとか、人と人の距離が近いとか。香港でOFWの人たちが集まる場所があり、そこで料理がされているのもKapwaの一例だと教えてくれた。 Katrin De Guiaという人が書いたKapwa: The Self in the Other, Worldviews and Lifestyles of Filipino Culture-Bearersという本は、現象学的なアプローチでそのあたりがわかりやすく書かれているらしい。