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往復書簡②玲那→亜紗

往復書簡②

こんにちは、西島玲那です。
いえいえ。こちらこそつたないわたしの言葉に耳を傾けてくださった学生さんと亜紗先生には感謝でございます。

インフルエンザですか!それはかわいそう。
もうすぐクリスマスなのに、余計なクリスマスプレゼントをもらっちゃいましたねぇ。

さて、私が普段アンテナをはっている話ですが、実は指摘をうけるまで自分では意識的に観察していたわけではないのです。
見えずらくなったとき、いろんなものが怖かったけれど、中でも人間の表情が見えないことも大きな不安でした。
もちろん今もです。
びびりなんです。
迷惑じゃない?いやがらせてない?と、ふとしたときに猛烈に不安になって、1日の言動に不必要なくらい
頭をかかえたりしてるほどのビビリなんです。

なのに、いろんな欲望やら願望は捨てられないというやっかいな状態。となると、おのずと周囲への関心が強くなります。


目は口ほどにものを言う
という言葉がありますでしょう?これこれ。こういうものに私は捕らえられたまま生きているのですよ。

でも結果的にはよかったとももちろん思っています。
コンプレックスや妬み・嫉妬...そういうどろどろしたものからはじまった「見る」こだわりですが、
人と目をあわせられるようになったこと、セラフとアイコンタクトができること、これはものすごいプラスでした。

目があった方はみなさんふしぎがるけれど、同時に「うれしい」とも言ってくれる。
こちらのささやかな「らぶ」がちゃんと伝わることがこちらもうれしい。
私も「目で会話」ってやつをしたいのです!
自分では不確定なものですが、相手に伝わったことが手応えとして感じられるのはものすごいすてきなものです。

セラフとは本来目をあわせたりするのはルール違反なのですが、(盲導犬とは同じ方向を向いたままでも、きちんと言葉のみで意思疎通がいくよう教育をうけています)
犬は目が合うと、幸せホルモンが犬の脳内に分泌されると聞いて、余計に目を合わせるようになりました。

プロ意識だとかっこいいですが、自意識過剰なのかもしれませんよ?笑
お恥ずかしいですが、10代20代の自分をふり返るとちょっと必死すぎたかもしれません。
障害者への偏見がそういう意固地な自分を育てたとだいぶ反省しています。

亜紗先生との対談だけでは飽き足らず、冒険にまで進みたがる私は、
やっぱりかなりの強欲動物ですね!笑
亜紗先生は私の見ている世界に興味を持ってくださっていますが、
私も同じよう「伊藤亜紗」にとてもとても興味があります。
亜紗先生との冒険に、今からにやにやが止まりません。